2016/10/11
今回は、CVP分析 その2 についてです。
既に、CVP分析が、経営において大切なことは説明しました。
また、CVP分析の理解に必要な目的、要素については、その1で説明しました。
その2の今回は、CVP分析についてより具体的に説明します。
CVP分析の中身は、まさに、以下の図の通りになります。
そして、これをより具体的に文章で説明すると、
1 変動費率(変動費÷売上高)を設定する
2 固定費を集計する
3 損益分岐点売上高を計算する → 固定費÷(1△変動費率)
です。
各内容について説明を加えます。
まず、ステップ1の変動費率とは、ボリューム単位当たりの販売単価に対する変動費の割合になります。
例えば、小売業の場合で、商品の平均販売単価が100、平均変動費率(例:仕入単価)が30の場合、30÷100=30% が変動費率になります。
次に、固定費の集計は、そのままです。
例えば、上記の小売業の固定費として、地代家賃200,000、光熱費50,000、広告費50,000、人件費400,000の場合、固定費を集計すると、700,000になります。
最後に、損益分岐点を計算は、算式の通りに計算します。
上記の例の場合には、700,000 ÷ (1 △ 30%) = 1,000,000 です。
つまり、この場合、1,000,000の売上があれば、損益分岐点、つまり、利益がプラスマイナス0の状態であり、利益を確保するためには、1,000,000以上の売上が必要になることを意味します。
ちなみに、このケースは平均販売単価は100だったので、損益分岐点を実現するために必要な販売数量は、1,000,000÷100=10,000個、となります。
どうでしょうか?
面白くないですか?
さらに説明を進めます。
CVP分析の図について、算式を作ってみます。
Y : 利益(損益分岐点未満であれば、損失)
X : 販売数量(ボリュームV)
a : 販売単価
b : 変動費率
c : 固定費
そして、CVP分析図の算式は、
Y = aX △ ( bX + c )
これを変換すると、
Y = ( a △ b )X △ c
です。
つまり、各要素を合理的に想定し、決定すれば、あとは、操業度に応じて、どのくらい利益が出るのかというのは、簡単に計算できるというわけです。
経営に改善を施し、思い描いた経営改善を実現するためには、計画、シュミレーションが必要であり、そのためには、CVP分析が必要なことがお分かり頂けたと思います。
最後に、計画した利益を実現するための売上高の計算も、このCVP分析を応用すれば、簡単にできます。
つまり、計画利益(税引き前)を決定し、以下のように計算するだけです。
( 固定費 + 計画利益 ) ÷ ( 1 △ 変動費率 ) = 計画利益実現売上高
簡単ですが、有益な考え方です。
なお、CVP分析は、PL上の利益をベースにした考え方ですので、営業CFを考えるためには、CVP分析を用いて計算した利益に、減価償却費や、営業活動に関する資産、負債の増減による影響額を加味することが必要になります。