2016/10/11
今回は、CVP分析 その1 についてです。
前回、事業計画書作成に欠かせない考え方として、このCVP分析をご紹介しましたので、今回はその説明です。
CVP分析の説明においては、最終的に、どのようにCVP分析するのかについてまで説明しますが、CVP分析を理解するには、その目的や要素を理解することが必要です。
そのため、今回は、その1として、CVP分析の目的、要素について説明します。
まず、改めてCVP分析の意義を説明すると、
・コスト(C)
・ボリューム(V)
・利益(プロフィット=P)
の関係性の分析、と言えます。
ただ、この意義説明ではよくわからないと思うので、もう少し具体的にどのような分析なのかを説明します。
例えば、
・あるお店において、同じメニューの販売価格を○%上げることで、販売数量が○%減少した場合に、利益がどの程度になるのかという分析
とか
・あるお店において、同じメニューの販売価格を○%下げることで、販売数量が○%増加した場合に、利益がどの程度になるのかという分析
ということです。
このように書くと、CVP分析ってすごいけど、本当にそんな魔法使いのようなことができるのか?と疑問を持たれる方もいらっしゃいますが、これは事実で、CVP分析とは、そういうことをするための分析です。
そのため、経営分析、経営改善、事業計画書作成等においては、不可欠の考え方とお伝えしてるのであって、その理由がお分かりいただけると思います。
CVP分析の要素については、既に、意義の中に出てきたC、V、Pになりますが、まず、VとPについて簡単に説明します。
ボリュームのVは、販売量です。
これは、簡単ですね。
利益のPは、コストとボリュームとのある関係性の場合の利益の水準になります。
例えば、
・販売量100の場合の利益と、販売量200の場合の利益との比較
・販売量は同じだけど、現状の利益と、コスト削減した場合の利益との比較
・現状の利益と、販売単価を上げた場合の想定販売量における利益との比較
といったイメージです。
当然ですが、コスト削減や販売単価の増減によって、ボリュームも増減が予想され、その予想ボリュームにおける利益を想定しないと、怖くて経営判断ができません。
しかし、CVP分析を理解し、実践できれば、その不安も軽減できますし、現実的な経営判断が可能になることもお分かり頂けると思います。
その上で、少しややこしいのが、コストで、コストは、変動費と固定費に分かれます。
・変動費とは、ボリュームに比例して発生する費用
・固定費とは、ボリュームに比例して発生しない費用
であり、両者は対義語です。
より具体的な例示としては、
変動費の例示
・飲食店における材料費、飲料費
・美容室における材料費
・小売業・卸売業における仕入
固定費の例示
・地代家賃
・広告宣伝費
・人件費
・減価償却費
です。
つまり、CVP分析の第一歩は、コストの変動費と固定費を理解して、変動費と固定費を分けるて把握することになります。