2016/10/11
今回は、総勘定元帳と決算書の関係性についてです。
なお、総勘定元帳は、以下、元帳と言います。
BS、PLの大区分と簿記との関連性を理解されると、今回の内容の理解は深まると思います。
以前の記事で、決算書は、仕訳がなされ、仕訳帳 → 元帳 → 決算書 という流れで作成される関連性は説明した通りです。
この記事の通り、仕訳帳 → 元帳 という流れは、比較的、理解しやすいと思います。
しかし、元帳 → 決算書 という流れは、やや難しいと思うので、もう少し説明するのが今回の趣旨です。
結局、BS、PLの各大区分ごとに、元帳の概要、動きを理解すれば、元帳と決算書との関係性がイメージしやすいと思うので、それぞれ作成しましたので、以下を、ご覧ください。
BS項目、PL項目の順で並べます。
資産
負債
純資産
収益・利益
費用・損失
各大区分項目の本拠地の話は、以下の記事の最後の方で説明した通りです。
そして、その特徴を図で表現するとこのようになります。
各項目において、
・本拠地側が増加、その反対側は減少であること
・増加と減少の差額として、期末残高があること
・期末残高が、決算書に計上されること
は共通します。
ちなみに、期末とは、事業年度の末日、つまり、決算日時点のことを意味します。
事業年度のことを、第○期、といったりするので、その期を用いて、その事業年度の決算日のことを期末といいます。
しかし、BS項目と、PL項目とで、明確に相違する点は、期首残高の有無です。
BS項目には、本拠地に、期首残高がありますが、PL項目には、本拠地に、期首残高はありません。
これは、BS、PLの目的、特徴を考えると理解できます。
つまり、BSは、ある時点の財政状態であり、その残高がなくなることはありませんので、翌期への引継ぎが生じるため、前期末残高=当期首残高、という関係性が成立します。
一方、PLは、ある期間の経営状態であり、その期間が終われば、その各項目の各勘定項目ごとの残高は、最終的に、純損益としてされて、株主資本等変動計算書を経由し、BS項目の利益剰余金の残高として繰り越されるため、各項目の各勘定科目のその期間の残高を、それぞれ翌期へ繰り越すという概念は生じないことになります。
ちょっと難しいですが、慣れれば理解できます。
理解の深度が浅い間は、元帳上、期首残高があるのは、BS項目のみで、PL項目にはない、というルールを覚えてください。