2016/10/11
今回は、決算書の機能と利用者について説明します。
そもそも、決算書とは、どのような機能があるのか、ご存知でしょうか?
これは、会計という言葉も含むと考えられますが、決算書の主な機能は、その企業の利害関係者に対して、その企業の状態を情報として提供すること、と言えます。
つまり、決算書というのは、ある企業の状態を、会計学が簿記というルールに従って、情報として表現されたもの、であり、情報である以上、その情報を、何らかの目的で利用する利用者が存在することになります。
そして、通常、決算書の利用者は、その企業に対して何らかの利害関係を有している人であり、その企業の各種利害関係者に対して、その企業の状態を情報として伝えることが会計であり、その手段が、決算書であると言えます。
次に、一般的に、利害関係者として想定される人は、
・企業経営者
・株主
・投資家
・債権者
・銀行
・従業員
です。
そして、各利害関係者の決算書に対する目的は、各利害関係者の関心によって異なることになりますが、共通することは、その企業の将来的な収益性と、短長期の債務返済能力に集約されると思います。
つまり、将来的な収益性が高く、短長期の債務返済能力に問題がなければ、その企業とは、安心して付き合っていくことができますが、逆に、そうではない場合には、その企業との付き合い方には、慎重にならなければなりません。
例えば、既存の株主や将来の投資家においては、その企業の状態が良ければ、保有を継続するか、さらに投資するでしょうが、逆に、悪ければ、売却するでしょう。
また、その企業の債権者(例えば、その企業に商品、製品を販売し、または、サービスを提供して、売掛金などの債権を有している人等。)や、融資をしている銀行おいては、その企業の状態が良ければ、取引や融資を増やしてもいいと思うでしょうが、逆に、悪ければ、新規の取引や融資は控え、回収の努力を始めるでしょう。
さらに、従業員においては、その企業の状態が良ければ、長期的にもっと貢献しようと思うでしょうし、逆に、悪ければ、転職を検討するでしょう。
要約すると、
・決算書には、その利用者に、その企業の状態を情報として伝える機能があること
・企業には、各種利害関係者が存在し、企業の状態について、決算書から情報として得ることで、適切な選択、判断をすることができるということ
でした。